エンジニアの未来は女性が主役になる可能性が高いと、現在、世界中で囁かれています。
そもそもエンジニアの世界は男性中心の世界。しかし、調査によると、エンジニアは将来、女性が増加し、男性を上回るだろうと言われています。
では、なぜ女性のエンジニアが増加するだろうと言われているのでしょうか?順を追ってみていきましょう。
エンジニアの未来は女性が主役に
持続可能な開発目標(SDGs)の「目標5」とは
2015年9月25〜27日、ニューヨークの国連本部において、「国連持続可能な開発サミット」が開催されました。
持続可能な開発のための「2030アジェンダ」では、17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」が掲げられました。
目標5:「ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る」は、達成されれば、男女の間の不平等な力関係を改善し、持続的および実質的なジェンダー平等へと向かうことが期待されています。
女性のエンジニアが少ない理由
世界全体の労働者人口に占める女性の割合は約40%。
欧米では45%、北欧は47-48%と高い数値を示している中、テクノロジー関連職種の女性比率はかなり低い状況です。
米国家科学委員会のデータによると、米国における理系学位取得・男女比率では、男性64.5%に対して、女性は35.5%。エンジニアリングとコンピュータ・サイエンス分野で特に低い値となっています。
なぜ男女の差ができてしまったかというと、現在の労働市場で大きなウェイトを締めているグループは1960-79年生まれのX世代と1980-95年生まれのミレ二アル世代です。
この世代は、STEM分野(Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)のそれぞれの単語の頭文字をとったもの)における女性の教育が活発ではありませんでした。
今は「Z世代」の女性に注目が集中
しかし「デジタル・ネイティブ」と呼ばれるZ世代(1995~2010年生まれ)の女性がこの状況を大きく変えるかもしれないとして注目の的になっています。
調査によると、Z世代は上の世代の女性に比べ、早い段階でプログラミングを学び始めたことが明らかになっていて、教育過程でデジタル・テクノロジーへの適応力を高めていることが示されています。
また、先述したSDGsの取り決めから、世界において女性に対する教育が見直され、男女が平等にテクノロジーを学ぶことができるようになります。
また働く環境も男女平等となるため、テクノロジー分野における女性キャリア(ロールモデル)が増え、Z世代の女性が安心してその分野でのリーダーシップを目指すことができると言われています。
Z世代では男女が逆転する?
また、Z世代の男女にどのプログラミング言語を知っているかと質問した結果、80%の女性がC系言語を知っていて、77%と回答した男性より高い数値となりました。
近年需要が高いと言われているPythonやJavaでは、Javaは女性72%、男性65%、Pythonは女性59%、男性62%といずれも高く、女性プログラマーがスキル習得に力を入れていることが示されています。
今後さらに多くのZ世代が大学に進学し就職すると、ロボットやコンピュータ分野の女性割合が高まり、STEM分野全体の男女差を縮めていくことになるかもしれません。
そのため、エンジニアの世界では、Z世代の女性の活躍に期待が寄せられています。