自営業のITエンジニアで悲惨な末路を迎えないためには?メリット・デメリットを知ることで、自営業になるために必要な心構えを知ろう!後編

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前編では自営業のITエンジニアと会社員のITエンジニアの違いを中心に記載しました。前編を読んでいただいた方の中には自営業のITエンジニアはデメリットしかないように感じたかもしれません。実際、不況時や体調不良等で自身がバリバリ働けなくなるような弱い立場になった場合の支援はないですし、社会的信用が必要なケース(住宅ローンを組む場合やクレジットカードの審査等)は不利になることも多いです。本記事では、それにも勝るメリットやデメリットに対する対策についてお伝えしたいと思います。

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自営業のITエンジニアのメリットとは

経営者の経験ができる

自営業のITエンジニアの場合、上述した通り、確定申告を始め自分自身で管理しないといけないことが沢山あります。また、自身の利益を残すためには、すなわち売上をあげるためにはどうしたらよいか、社会情勢に合わせて戦略を練る必要があります。そういった視点は経営者に必要な視点です。本記事でお話ししている個人事業主は、法人化こそしていませんが、まさに経営者としての経験ができる立場です。もちろん、個人事業主の誰もが成功していけるほど甘くはありませんが、法人化して会社経営をし成功しているエンジニアもいらっしゃいます。仮に自営業のエンジニアとして売上が立たず失敗してしまったとしても、経営者の経験ができることは人生の糧になるかと思います。

働く金額や年齢に上限がない

自営業のITエンジニアの場合、会社員のITエンジニアのような定年退職制度がないので、年齢に関係なく働けます。しかし、案件獲得の条件に年齢制限がある場合があるため、確固たる顧客の獲得働き続けるためのビジネスモデルの形成が必要になります。今の時代、定年後の働き方を考えるのは会社員も同じかと思うので、より早い段階からキャリアについて意識できるのは自営業のITエンジニアのメリットだと思います。

精神的なストレスから解放される 

自営業のITエンジニアは働き方に対して制限がないため、毎日決まった時間に出社して働くという働き方をしなくてもよくなります。良くも悪くも働く曜日も場所も自分次第です。筆者の知人には、海外の案件を獲得し働いている人や1年で10ヶ月間働き、残りの2ヶ月間は休暇のため離島で暮らすというツワモノもいます。ここまでは極端な話かもしれませんが、自分自身で働き方を決められるので、会社員のITエンジニアにありがちな我慢して働くという考え方は、自営業のITエンジニアには少ないかと思います。

自営業のITエンジニアのデメリットとは?おすすめの対策とは?

前編でお伝えした通り、自営業のITエンジニア会社員のITエンジニアと比べ、確定申告の手続きを自分でしなくてはいけない点収入が安定しない点福利厚生がない等のデメリットがあります。そこで、本記事ではデメリットに対する対策を記載したいと思います。

確定申告の手間がかかる

自営業のITエンジニア確定申告を自分でする必要があります。その分、必要な手続きと知識があれば、自分自身で節税対策ができるので、考え方によっては会社員のITエンジニアよりもお得かもしれません。細かい節税対策については本記事では割愛しますが、自営業のITエンジニア最初に実施したい対策について記載します。

青色確定申告対象者になること

自営業のITエンジニアを始めるために最初に必要な手続きは、青色確定申告対象になるために税務署開業届青色申告承認申請書提出することです。もちろん、開業届を提出しなくても自営業のITエンジニアとして働くことは可能ですが、青色確定申告対象者になることで、節税対策の幅が増えるため断然お得です。

税制度について正しい情報を得ること

税制度は毎年少しずつ変化しています。直近ですと、2023年度より開始されるインボイス制度も導入されます。受け身で会社に任せられた会社員とは違い、自営業のITエンジニアはこういった制度の変化にも敏感になる必要があります。今の時代情報ネットで検索すれば何でも情報が得られるので、独学で学ぶことも可能ですが、やはり正しい知識となると専門家へのヒヤリングが欠かせません。稼ぐ自営業のITエンジニアの中には、専門家を雇って手続きしている人もいますし、まだ収入が安定しない人は、直接税務署に問い合わせたり、低予算で利用できるクラウドの確定申告ソフトを使っている人もいます。いずれにせよ、正しい情報を入手するための手段を検討する必要があります

福利厚生がない

自営業のITエンジニア会社員のITエンジニアに比べ福利厚生がないことは前編で記載しました。その中でも特に大きいのが雇用保険や将来の年金問題ではないでしょうか。もちろん、不足している分を貯金することも一つの案ですが、収入から貯金する金額も所得に含まれ税金の支払い対象になるため、節税対策としてはあまりおすすめできません。そこで、節税にもなる以下の対策を記載します。

小規模共済への加入

自営業のITエンジニア会社員のITエンジニアのように退職金という制度がありません。そこでおすすめなのが、個人事業主の退職金のような制度である小規模共済です。月の掛け金額は、1,000円から70,000円までの範囲内ですが、最大で年間84万円(月の掛け金額最大70,000円)が所得控除の対象にでき節税対策になります。

経営セーフティ共済への加入

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)とは、簡単に言うと取引先の企業の倒産に備える共済制度で、取引先が倒産した際、無担保・無保証人で掛金の最高10倍(最高8,000万円)まで借入れすることができます。掛金月額は5,000円から20万円までで、個人事業主の場合は支払い金額を必要経費に算入でき節税対策になります。

iDeCo(イデコ)への加入

iDeCo(イデコ)とは個人型確定拠出年金とも言い、将来の年金を自分のために積み立てる制度です。今までは企業型確定拠出年金として会社員に勤めている人の特権でしたが、平成29年の改正により、主婦でも個人事業主であっても、原則として20歳以上60歳未満の国民年金・厚生年金加入者であれば加入できるようになりました。掛け金を預金や投資信託などで運用し増やすことができ、増えた分の運用益は非課税として扱われます。さらに、毎月の掛金は所得控除の対象になり、節税対策にもなります。

生命保険・介護医療保険・個人年金に加入する

生命保険介護医療保険個人年金に加入すると、一定額を所得から控除することができるので節税対策になります。特に、以下の保険についておすすめします。

  • 休業時に備える→「所得補償保険
  • 子育て世帯の世帯主死亡に備える→「収入保障保険
  • 老後に備える→「個人年金

以上のとおり、会社員の福利厚生制度には劣る場合もありますが、自営業のITエンジニア備えられる制度があるので調べてみる価値はあるかと思います。自営業のITエンジニアの収入は会社員に比べると高く見えるかもしれませんが、こういった備えの部分や税金の支払い等を差っ引くと、実は会社員時代の収入とさほど変わらないもしくはそれより劣る可能性もあります。その辺も踏まえて検討していくことを強くおすすめします。

収入が不安定

自営業のITエンジニアの最大のデメリットは「収入が不安定」な点です。特に不況時は会社員のITエンジニアのように安定して案件に入れないことや取引先の業績悪化に左右される可能性もあります。そこで、日頃から、取引先との情報共有や社会情勢に詳しくなる必要があります。また、取引先は一択だけではなく、複数社あったほうが安心です。とは言っても、一人親方の自営業のITエンジニア(個人事業主)は、複数社同時に参画することは難しいかと思うので、自営業のITエンジニア(個人事業主)向けの案件を紹介している案件紹介サービスを利用することをおすすめします。こういった案件紹介サービスは、業界の世情に詳しいだけでなく、クライアントとの太いパイプを持っているので、個人では契約できないクライアントとも契約できることもメリットです。また、案件紹介サービスを利用することで、自身の仕事での売りにも気が付くことができるので、定期的なスキルの棚卸しができます。もちろん、自分自身で営業力があればそれに越したことはありませんが、自営業のITエンジニアになりたての頃は、案件紹介サービスに登録し安定して自身のスキルアップを図ることもおすすめです。自営業のITエンジニアの中には、複数社案件紹介サービスを利用し使い分けている人もいます。

まとめ

本記事を読んでくださっている方々には、メリット・デメリットをしっかり知ったうえで自営業のITエンジニアとして活躍していただきたいと筆者は考えています。安定性とはかけ離れた働き方ではありますが、自営業のITエンジニアになると、会社員のITエンジニアでは得られなかった経営に関する知識や世の中の仕組みに関心が行き、とても良い経験になると思いますので、デメリットを理解し対策をしっかりして挑戦していけたら良いですね。

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